07. JMECの異常な行動(特定雑誌との接近)
美容関連商品を販売するにあたって、マスコミ対策が重要となる。どの美容関連商材を販売している企業も、一定の広告宣伝費を使っていることは間違いない。ただし、美容医療器械の宣伝を行う場合に普通の商品や電気製品のように一般大衆向けのCMを打っても効率が悪すぎる。美容医療を受けようという関心のある消費者の比率はまだまだ低く、ひとにぎりの女性たちに限られる。そうした女性たちに効率よくアピールするためには、彼女らがよく購読する「美容雑誌」に接近するのが早道である。そこでJMECはいくつかの少数の美容雑誌と親密になる路線を歩んできた。
雑誌側に金を渡し、新機械・新治療を取り上げてもらう。これだけならよくある宣伝の手法だが、次第に歯止めがきかなくなっていく。有名ドクターと雑誌の編集者を海外の学会などに招待して、外国の「新治療」をレポートさせる。そして、それが世界の美容医療のトレンドであるかのように記事にしてもらう。ここまでくると、これはもはや報道ではなく、自分たちの思うように「治療を作る」領域に入っていく。
こうした動きは医療倫理的に問題であるばかりでなく、自費で海外の学会に参加している医師に失礼であり、また、何よりも、科学としての医学を冒涜するものである。美容といえども医学に関わる者として、あってはならないことのように思うのは考えすぎであろうか?
(2015/1/25記)