先週来院した新患さんは、東南アジア人で日本語が話せない人でした。一応通訳の人が同行したのですが、その通訳も日本語があまり上手でないため、病歴の聴取にも苦労しました。15分ほどかかってようやく分ったことは以下の通りでした。患者さんは30才の女性で1年前から日本に滞在しているが、顔面のシミ(おそらく肝斑)をきれいにしたいと思い、駅で広告しているクリニックへ行ってレーザーが良いと言われ3ヶ月間に8回レーザーを受けた(おそらくレーザートーニング)。治療中は少し良くなったように思われたが、治療が終って1ヶ月たった今では前と比べてまったく良くなっていない。一部濃くなったところもあると思う、とのこと。ダーモスコピーで詳しく診察してみると、肝斑があったと思われる部位に典型的な樹枝状色素増強が見られ、一部白斑形成もあり、LTによる肝斑増悪と診断されました。言葉が通じにくいため、私が診断とその根拠を説明するのにもひと苦労でした。LTを受けたクリニックではどういう説明を受けたのかとたずねても、よくわからないまま受けたとのことです。言葉も分らない外国人にまで、満足な説明もなく漫然とLTを行うとは、LTクリニックも来るところまで来たと感じました。恐ろしいことです。