ちょっとうれしかったこと
筆者は,レーザー治療を受けて肝斑が増悪した患者が相談に来院したときは,そのレーザー治療を行ったクリニックの院長に手紙で患者の肝斑が増悪した事実を知らせる活動を行っています。数か月前に手紙を書いた大阪市のA医師が当院を訪問したいということで,先日診療終了後に来てくれました。「肝斑のレーザー治療は,未だにまったくエビデンスがないのですね」「そうなんですよ」「業者は肝斑に効くというデータがあると言っているので信じて買わされてしまいましたが」「老人斑や雀卵斑には少し効くのですが,肝斑にはまったくダメです」「そうですね」「インド皮膚科学会が世界で初めて肝斑のガイドラインを出したのですが,レーザーはすべて not recommended です」「そうですか。業者って,ひどいですね」「彼らは金儲けのことしか考えていませんから」「私もレーザートーニングはやめることにしますわ」「それはよかったです」
業者の宣伝に乗せられて機械を買わされてしまったお人よしの医師がここでまたひとり目を覚ましてくれたのなら,これに勝る喜びはありません。