レーザートーニングの真実:業者によって作られた施術

美容治療用レーザー機械の販売業の仕組み

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02. 美容治療用レーザー機械の販売業の仕組み

 美容治療用レーザー機械は、現在でこそ1台数百万円から1千万円程度になっているが、10年前は平均1000~3000万円程度の高価なものであった。販売業者(輸入業者)は、売価の30~60%程度のマージンが取れる。しかし機械はひとたび売れてしまうと別の機械を売るか買い替えの時期(10年くらい後)が来るまで、もうその顧客から利益をあげるチャンスはない。だから、つぎつぎと、新規顧客を開拓しないといけない。レーザー販売業は「一発当てるとおいしい」が「明日はどうなるかわからない」面が大きいのである。これまでわが国の美容市場で「一発当てた」例としては、JMEC社が手掛けた脱毛用アレキサンドライトレーザー「LPIR」と、ルミナス社の「フォトフェイシャル」が有名である。全国に、1年に数百台規模で普及すれば、莫大な利益が得られたであろうことは想像に難くない。しかし、こうした機械の大ヒットは決して長くは続かない。その理由はいくつかある。まず、ヒット商品を見て後発メーカーが類似品を低価格で出してくるのでどうしても機械の値崩れが起きる。それに、有名医師のところに行きわたってしまったあとは、小さな医院や新規開業者に売らざるを得ないので資金の都合でどうしても安く売らざるを得なくなる。つまり、一発大ヒットしたからといって、その後は限りなき消耗戦が待っているわけである。つまり、新たに数年ごとにヒット商品を出せれば理想なのだが、それはなかなか難しい。

 もうひとつの問題は、代理店制度とメーカー子会社の問題である。外国の新興メーカーが発売した新商品を、たとえば日本で売ろうとした場合、本当は外国本社が日本に販売子会社を作ればよいのだが、資金力と現地販売ノウハウがない場合には、日本の販売代理店に頼んだ方が便利である。外国本社は日本の販売業者にマージンを与える代わりに機械を売ってもらうわけである。その場合にたいていは、外国本社はその販売業者にしか商品を卸さない「独占代理権」というメリットを渡すことが多い。販売業者側も、せっかく苦労して売れるようになった商品が別ルートから売られてしまってはたまらないからである。わが国で美容医療器の販売代理店として大成功した代表がJMECである。脱毛レーザー「LPIR」以来米国で開発される新製品の「独占代理権」を次々に獲得して飛ぶ鳥を落とす勢いだったことは記憶に新しい。

 ところが、最近は「外国レーザーメーカーの統合」と「日本子会社ブーム」という2つの流れが出てきている。これが日本の美容医療業界に大きな影響を与えるようになっている。

 まず「外国レーザーメーカーの統合」である。これまで、世界のレーザーメーカーは米国を中心に、欧州・イスラエルなど、精密機械工学技術とベンチャーキャピタルの資金をつないで、多数の中小メーカーが乱立し、そのうちいくつかの会社が成功して有名になって大きくなるという構図であった。ところが世界市場全体がグローバル化して資金の動きが大きくなりM&Aが活発化する中で、この業界も統合が進み、世界の10大レーザーメーカーはわずか3~4社に集約されてしまった。寡占化が進んだために、新興のベンチャー企業が画期的な新製品を出す可能性が以前よりぐっと低くなってしまったわけである。新興ベンチャーの新製品がなければ販売代理業は成り立たなくなってしまうので、JMECのような企業が苦境に立たされてしまう流れなのである。

 次が「日本子会社ブーム」である。当初日本の消費者は美容関連支出に消極的だという予想のもとに、また当局の規制や許認可が他国より複雑であるという事情もあって、外国レーザーメーカーは日本に販売子会社を置かずに代理店を使うケースが多かった。しかし、最近になって、日本市場の魅力とポテンシャルに気付いた外国レーザーメーカーは次々に日本に販売子会社を作る流れになってきている。販売代理店という存在自体が、今後ますますその必要性を失っていくことが確実である。

 レーザートーニングで問題となった「メドライトC6という機械は、もともとはカリフォルニアの独立系ベンチャー企業「ConBio」によって開発されたが、その会社を日本のHOYAという会社が買収し、しばらくは日本ではHOYAの日本法人が販売していたが、日本市場で思うように売れずにJMECに独占代理権を譲った経緯がある。その後JMECは動機の厚労省承認を取った。しかし、その後ConBioは、別の米国大手レーザーメーカーC社に買収されてしまった。よって、「メドライトC6」の後継機種はC社のものであり、それはすなわち後継機種はC社の日本法人が販売することを意味する。JMECはせっかく「メドライトC6」の厚労省承認を取ったのに、将来同機の後継機種を販売することができないのである。

 さらにJMECを悩ませているのが韓国系メーカーの台頭である。美容レーザーの世界市場が成熟するのに伴って、定型的な機械を安く作って売るのが得意なルートロニック社・ジェイシス社などの韓国系メーカーが台頭してきている。製造コストが安いだけでなく、ウォン安も、韓国政府が機械の輸出を国策として奨励していることも追い風となり、また、トップダウン方式の強力な指導力と違法すれすれの強烈な営業姿勢もあり、日本国内でぐんぐんシェアを伸ばしてきている。

 美容医療器の販売代理店のナンバーワンとしてあれほどの隆盛を誇ったJMECも、最近の業界の流れはどうすることもできず、真綿で首を絞められるように苦しくなってきていることは間違いない。

(2015/1/25記)

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