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2017年前半の学会を総括して

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17. 2017年前半の学会を総括して

2017/4/12-14 日本形成外科学会総会(大阪)

形成外科の最も大きな学会だが,LTに関する演題はなかった。筆者は一般演題で,ピコ秒レーザーでもLTと同様の副作用が発生していることを報告した。

2017/6/2-4 日本皮膚科学会(仙台)

皮膚科の最も大きな学会だが,LTに関する演題はなかった。

2017/6/15 千葉県皮膚科学会(千葉)

筆者は同会に招かれて特別講演「シミの治療」を行った。その中でLTの恐ろしさについて言及したが,出席の皮膚科医の多くから,同様の症例を見た経験や,LTの危険性について賛同の意見もらった。一般の皮膚科医の間には,LT反対の意見は広がってきていることを強く感じた。

2017/6/30-7/2 中国医師会レーザー美容学会(昆明)

最近中国では拙書「シミの治療」の中国語訳が日本語版以上に売れているのだが,それを翻訳してくれた先生の依頼があったため,海外での講演の依頼はなるべく断るようにしているのだが,8年ぶりに引き受けて「シミの治療」と題した特別講演を行った。中国でも,日本同様に美容皮膚治療がブームになっているのだが,日本のようにLTの被害が大きくなる前に警鐘を鳴らしておかなければならないと考えたのである。学会は,日本の美容皮膚科の学会よりも盛況で,中国全土より多数の医師が集まっていた。筆者の「シミの治療(中国語版)」は,この分野の「成書」として扱われており,多くの学会発表演題で,「葛西は〇〇と言っているが,私はこう思う」といった言い方をしていたことが印象的であった。夕方に行われた肝斑のForum では,中国全土から集まったエキスパートの医師たちが,それぞれ意見を述べていた。14人の出席者の多くは「肝斑は複雑な疾患だから,いろいろな治療法を組み合わせていかないとうまくいかない」という極めて常識的な意見を述べていた。筆者は,中国の学会はもはや日本の学会より常識的・科学的レベルは上を行っているように感じた。

2017/7/29-30 日本美容皮膚科学会(大阪)

筆者は今回出席しなかったが,LTに関する演題がいくつか出ていたようである。



2016年後半くらいで,いったん幕を降ろしたかのように見えたLTだが,2017年中ごろよりまるでゾンビのように息を吹き返してきているように見える点が不気味である。皮膚科・形成外科の良識ある医師層には,LTが一時的効果しかなく止めれば再発し,副作用の危険が高いことが,かなり浸透したと思われる。しかし,金儲けをもくろむ業者や商業主義医療機関は,盛り返すタイミングを狙っているようである。ピコ秒レーザーを肝斑に当てる「ピコトーニング」もすでに行われているし,事態は全く予断を許さない。それにしても,中国の医師ですら肝斑に対して慎重な姿勢を取っているのに,「レーザーで肝斑が治る」などとネット広告で患者集めをしているひどい国は日本と韓国くらいであろう。なげかわしいことである。

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